炎上・その他

Google検索から自分の名前や画像を削除する方法をわかりやすく解説

<この記事を監修した弁護士>

モノリス法律事務所 代表弁護士
河瀬 季(かわせ とき)

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Googleなどの検索エンジンで自分の名前を検索して、知らないサイトに自分の情報や画像が掲載されるなどの経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

SNSで簡単に画像や情報を投稿することができるようになったことで、知り合いが公開した内容が検索エンジンに表示されることも珍しくありません。

表示される内容がポジティブであれば問題ありませんが、炎上している場合や誹謗中傷を受けている可能性もあり、ネガティブな情報が露出し続けることで、ビジネスや私生活に悪影響を及ぼします。

では、検索エンジンに表示されている自分の名前や情報をどのように削除すれば良いのでしょうか。本記事では、その削除方法と対処法について詳しく説明します。

この記事でわかること

▼検索結果に出てきた自分の名前を削除する流れについて
▼Google画像検索で自分の顔画像を削除依頼する方法とは?
▼検索エンジン・サイト管理者への依頼でも削除できなかったときの対応方法は?

Google検索で自分の名前が表示される理由

検索エンジンで個人の名前が表示される主な理由は、自分を含めた、誰かの発信です。

検索エンジンではウェブ上にある情報の中から入力されたキーワードに対して適切なページを探して表示しています。

たとえば個人がSNSにフルネームで発信していたり、オンラインコミュニティでプロフィール情報を公開している場合、その情報は検索結果に表示されやすくなります。

また特定の分野で注目された場合、その業績や活動、メディアに取りあげられた情報が検索結果に現れることがあります。これにはポジティブな内容だけでなく、過去の事件や逮捕歴などのネガティブな情報も含まれることがあります。

誰でも発信ができるようになった昨今ではSNSによって、晒されたりすることで意図しない風評被害を引き起こすこともあり、そのような場合、仕事や精神的な苦痛、私生活への悪影響を考えると早期に対策を行うことが重要です。

↓ネット上に残るデジタルタトゥーについて解説

検索に自分の名前が表示される場合の影響とは

誹謗中傷のリスク

検索エンジンに自分の名前が表示されることは必ずしも悪いことではありませんが、表示される理由によっては生活に大きな影響を与える可能性があります。

ここでは、自分の名前を削除せずに放置することで起こりうる影響について詳しく説明します。

1. プライバシーの侵害

自分の名前が検索結果に表示されることで、住所や家族の情報がさらされることがあります。

例えば、メディアで表彰された際に所属している学校や会社、家族構成について話した情報が検索結果に反映されることがあります。

また、炎上している場合には悪意を持った人がSNSから特定しようとすることもあるので、プライバシーが侵害される可能性があります。

2. 周囲からの信用低下

周囲からの信用が低下することで仕事への悪影響が考えられます。ネット上の情報は不確かなものも多いですが、悪い書き込みを信じてしまう人も少なくありません。

これにより、社内での立場が悪くなったり、取引先からの信頼が失われたりと、仕事に悪影響を及ぼす可能性があります。

3. 誹謗中傷のリスク

ネガティブな情報が公開され続けた場合、誹謗中傷を受けるリスクがあります。

特にSNSアカウントを持っていると見知らぬ人から事実と異なる内容で批判されることもあり、精神的にも大きなダメージを受ける可能性があるため、早めに対処することが重要です。

検索エンジンから自分の名前を削除する方法

検索エンジン

ここではGoogleやYahooなどの検索エンジンに表示されている自分の名前や個人情報を削除する方法を紹介します。

最初に理解しておくべきことは、検索結果から情報が消えることと、リンク先のサイト(掲示板、SNS、ブログなど)から投稿が削除されることは別物であるという点です。

例えば、SNSの内容が表示されている場合、検索エンジンでその投稿が表示されないようになっても、リンク先のSNS上の投稿自体は残ったままです。

つまり、ネット上から自分の名前が出てくるページを完全に削除するには、検索結果に表示されなくするだけでなく、リンク先のサイトからも見れなくする必要があります。

サイトの投稿が削除されれば、そのうち検索結果にも表示されなくなるので、そのため、まずはリンク先のサイトから投稿を削除することを試みるのが良いでしょう。

投稿者、またはサイト管理者に直接削除を依頼する

まずは、自分の名前が掲載されているサイトの投稿者や管理者に直接削除を依頼することで削除が可能です。

投稿者またはサイト管理者への連絡方法

自分の名前がSNS上で発信されていたり、個人のブログに掲載されている場合は、投稿者に直接削除を依頼します。

ブログに問い合わせフォームやメールアドレスが記載されている場合も多いので、削除してほしい内容と理由を伝えましょう。SNSのダイレクトメッセージで依頼してみるのもよいでしょう。

ただ、このような個人間のやり取りでは、トラブルになることもあるため、感情的なメッセージは避け、冷静かつ丁寧に依頼することが大切です。

サイトや投稿元から名前や情報が削除されれば、検索エンジンの結果にも表示されなくなるため、非常に効果的な方法です。

サイト管理者のお問い合わせや連絡先がわからない場合には、『Whois』という検索サイトをご活用ください。

「ドメイン名情報」という入力欄にサイトのURLを入力して検索すると、そのサイトの詳細情報が表示されます。

「Administrative Contact」の項目にメールアドレスが表示されるので、そのメールアドレス宛に個人情報の削除を依頼してください。これにより、サイト管理者に直接連絡が取れる可能性があります。
ウェブサイト管理者に連絡する(Google検索ヘルプ)

連絡時の注意点

投稿者やサイト管理者に直接削除依頼を行う際には、いくつかの注意点があります。

例えば、自分に対する恨みから記事が書かれている場合、直接連絡すると相手を刺激してしまう恐れがあります。相手によってさらに問題のある投稿をされてしまう可能性も考えられます。

もし、書かれている内容が名誉毀損など法的に問題がある場合は、自分で対応するのではなく、弁護士を通じて連絡する方が安全かつ効果的です。状況に応じて、直接連絡しない方が良い場合もあることを理解しておきましょう。

またサイト管理者が削除申請に応じてくれた場合でも、検索エンジンに反映されるまでには数週間から数か月のタイムラグがあります。

これは、検索エンジンが定期的にインターネット上の情報を収集するため、対象サイトを再度クロール(巡回)するまでに時間がかかるためです。

元のサイトから情報が削除されていれば、検索エンジンの結果からもいずれ消えるので、焦らずに待つか、後述している古いコンテンツの更新方法を試してみましょう。

また自分が過去に管理していたサイトが放置され、退会したはずのSNSや、ログイン情報を忘れたブログサイトが検索エンジンに認識されているケースもあります。

このような場合は、過去のメール履歴からログイン情報を探すか、運営会社に問い合わせてログインできるようにすることで、解決できるでしょう。

検索エンジンへ削除依頼をする

住所や電話番号や個人識別ID、ポルノ画像、未成年の画像など個人のプライバシーに関わる情報が含まれている場合、個人情報保護の観点から削除依頼を行うことが可能です。

さらに、名誉毀損など法的な問題を含むコンテンツについては、専用の依頼フォームが設けられています。

どのような対応が必要かを自身で確認し、適切な手続きを進めることが重要です。

なお、Yahoo!の検索結果はGoogleの検索結果から情報を取得しているため、Yahooの検索結果も自動的に削除されますので、まずはGoogleへ削除依頼を行うことになります。

↓自分の名前検索時、サジェストにネガティブワードがでてしまったら、こちらの記事もご参照ください

Googleにコンテンツの削除を依頼することで、検索結果に表示されるコンテンツが削除されるよう、Google公式サイトから削除の依頼を行いましょう。

ご参考:Googleから個人情報を削除する
ご参考:Google 上のコンテンツを報告

画像が表示される場合

Google画像検索などで自分の顔の写真が表示された場合、最初に行うべきことは、その画像を掲載しているコンテンツ元を確認することです。画像が公開されている場合、コンテンツの管理者に削除を依頼します。

もしSNS(X、Instagram、Facebookなど)の投稿が画像の出所である場合は、投稿者に公開範囲の変更や画像の削除を依頼しましょう。投稿が削除されるか、アカウント自体が無くなると、Googleの画像検索結果も更新されます。

画像の削除方法はプラットフォームによって異なりますが、無断で使用されている場合は肖像権の侵害にあたることもあります。そのようなケースでは、インターネット上の削除に精通している弁護士に相談すると、迅速に問題を解決することができます。
参考:Google から画像を削除する方法(Google検索ヘルプ)

顔画像の削除方法

顔画像が掲載されている元のコンテンツに対して削除依頼を自分で行うことは可能です。まずは投稿者の連絡先を確認しましょう。

  1. 投稿者に直接連絡を取り、画像の削除を依頼する
  2. サイトの管理者やインターネットサービスプロバイダーに対して送信防止措置の依頼をする

ただし、投稿者に直接連絡が取れる場合でも、対応によっては問題が拡大するリスクもあります。慎重な対応が必要な場合、ネットに詳しい弁護士に相談し、被害状況を説明した上で、削除依頼の最適な方法を検討しましょう。

元の情報が削除された後も、Google画像検索の結果に画像が表示される場合があります。
そこでGoogleに更新を促す方法がありますのでご紹介します。

  1. 画像のURLをコピーする
    まず、Googleの画像検索から削除したい画像を表示します。表示された画像を右クリックし、「リンクのアドレスをコピー」から画像のURLを取得します。
  2. リクエストを行う
    画像のURLをコピーしたら、更新リクエストに移ります。
    以下のリンクにある「古いコンテンツの更新」ページにアクセスし、コピーしたURLを貼り付け、「送信」をクリックしましょう。

Google検索ヘルプ:古いコンテンツの更新

ただし、この方法はGoogle上に公開されている画像がすでに削除され、更新を促す方法です。そのため、SNSや掲示板などの元のコンテンツが残っている場合、根本的な解決にはなりません。

まずはコンテンツの所有者やサイトの管理者に削除依頼を行い、確認が取れたら更新するようにしましょう。

YouTubeなどの動画サイトに自分が登場している場合

動画サイト

YouTubeやTikTokで他人がアップロードした動画に自分が無断で登場している場合、まずは動画のアップローダーに直接連絡し、削除を依頼するのが一般的です。

また並行して、プライバシー侵害の申し立てを通じて、動画の削除を求めることもできます。

<YouTube動画の削除申請方法>

  1. 該当する動画ページを開いて、動画の下にある「…」ボタンをクリックします。
  2. 旗のアイコンが表示されている「報告」を選択します。
  3. [法的問題(著作権やプライバシーなどの法的問題の申し立て)]を報告する理由を選択して、送信しましょう。

<TikTok動画の削除申請方法>

  1. 動画の右側に表示される「矢印ボタン」をタップし[報告する]を選びます。
  2. [個人情報の公開]などの動画の内容に適した報告理由を選んで送信しましょう

削除できなかった場合の対処法

これまでの方法で検索結果からの削除が難しい場合、以下をご検討ください。

弁護士を通じて削除依頼

ネット上のコンテンツ管理者が任意で削除に応じない場合、弁護士を通じて削除の必要性を主張することで対応してもらえる可能性があります。

個人で削除依頼に失敗した場合でも、弁護士を通じた手続きで削除が成功することは珍しくありません。

また、任意での削除が難しい場合は、弁護士を通じて裁判上(仮処分)の手続きとして削除命令の申立てを行うこともできます。

自分の名前が表示されるページや画像を放置できない場合は、弁護士への削除依頼を検討することをおすすめします。

逆SEO対策の依頼

特定の「人名」や「社名」などの指名検索において、検索エンジン利用者のおよそ90%以上が1ページ目までを閲覧すると言われています。

SEOは検索結果で上位を獲得することを目的としますが、逆SEOとは問題のページを検索結果の2ページ目以降に押し下げ、1ページ目に表示されないようにすることで見られないようにする対策です。

誹謗中傷対策の専門業者に依頼することで、GoogleやYahooの検索結果から問題のページを目立たなくすることが可能です。

まとめ

自分の名前を検索した際にネガティブな情報が掲載され続けることはそれを見た人にマイナスな印象を与えます。

ポジティブな情報なら問題ありませんが、炎上や風評被害の場合は速やかに削除する必要があるでしょう。

検索エンジンで自分の名前を削除する方法はサイトの管理者に問い合わせたり、Googleに削除依頼をする方法もありますが、それでも解決が難しい場合は専門の弁護士や対策業者に依頼を検討してみましょう。

弊社では、風評被害対策のプロとして企業の価値やイメージを守るために、ネガティブ情報の非表示化から再発防止までをお手伝いしています。インターネット上のトラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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