集客やブランディングに欠かせないツールとして、多くの企業がSNSのアカウントを活用しています。しかし、SNSの発信が原因で起きる炎上も、企業にとって大きなリスクを伴います。
一度炎上した場合、その影響は計り知れず、ブランドイメージの低下や顧客の信頼失墜に直結することも少なくありません。
この記事では、SNSの炎上事例12選を取り上げ、なぜその炎上が起きたのか掘り下げていきます。さらに、それぞれの事例から企業がどのような対策をすれば良いのかを解説します。
企業の炎上事例を知っておくことは、同様のリスクを未然に防ぐための重要なステップです。
ぜひ参考にしてください。
- 【最新】企業のSNSの炎上事例12選
- 某コンビニの社長の発言がSNSで拡散され炎上(2024年8月)
- 企業の不適切な対応がSNSで拡散され炎上した事例(2024年11月)
- 企業の広報がSNSで発信した一言が炎上した事例(2024年11月)
- 新入社員のSNS投稿で炎上した事例(2024年4月)
- 企業のSNSプロモーションが炎上した事例( 2023年12月)
- スタッフによるSNS上での会員情報の不適切な取り扱いが原因で炎上(2024年1月)
- 某テーマパークの炎上事例(2024年1月)
- 某大手企業のweb広告が炎上した事例(2024年3月)
- 某飲食店の内部告発がSNSで拡散され炎上した事例(2023年3月)
- 某フィットネスクラブの不適切な表現で炎上(2023年9月)
- 人気バンドのMVがSNSで差別的な内容として炎上した事例
- SNSで男女差別で炎上した飲食店の事例(2024年9月)
- なぜSNSで炎上が起きるのか?主な原因を解説
- 企業のSNSの炎上を未然に防ぐ対策
- 企業のSNSが炎上した時の対策
- まとめ
【最新】企業のSNSの炎上事例12選

SNSは現代のビジネスにおいて必須のコミュニケーションツールとなっていますが、使用方法を誤ると大きなリスクを招き、企業の評判に甚大な損害をもたらすことがあります。
ここでは企業のSNSが炎上した事例を紹介していきます。
SNSの炎上は偶然ではなく、しばしば避けられたはずのミスや誤解、問題ある投稿などによって必然的に起きています。
企業の炎上事例をしっかり確認していきましょう。
某コンビニの社長の発言がSNSで拡散され炎上(2024年8月)
ある大手コンビニチェーンの商品に関する疑惑が、消費者の間で大きな議論を引き起こしました。特に弁当やサンドイッチのパッケージングに関して、食材がたっぷり入っているように見せかけながら実際には内容量が少ないという「上げ底」の疑惑が浮上したのです。
社長は「そんなアコギなことはできない」という言葉で疑惑に反論しました。しかし、SNSではさらに多くの疑問と批判を引き出す結果となりました。
消費者が実際の商品の写真と、広告で提示されている商品画像を比較する検証画像が次々にSNSに投稿されたのです。これらの画像には、パッケージの底部が二重になっており、見た目以上に内容量が少ないことを示すものや、サンドイッチの具材が表面だけに豊富に盛り付けられているが、実際には非常に少ないことが明らかにされたものが含まれています。
SNS上での批判は一時的に収束することなくさらに炎上しました。
企業の不適切な対応がSNSで拡散され炎上した事例(2024年11月)
あるフリマアプリでの顧客間のトラブルが、企業の対応の不手際から大きな炎上を引き起こしました。始まりは、一人の出品者が新品未開封の商品を発送した後、購入者から商品が破損しているとの連絡を受けたことからでした。出品者はフリマアプリの指示に従い、商品の返品を受け入れましたが、返送された商品の中身はほとんど抜き取られており、代わりにゴミが詰められていました。
出品者がこの件をアプリのサポートチームに相談したところ、購入者が正しい商品を返送したと主張しているため、補償を受けられないと告げられました。この対応に不満を持った出品者は、SNSに投稿を行い、その投稿が広く拡散されると、他のユーザーからも類似の被害報告が相次ぎました。
この一連のやり取りがSNSで公開され、トレンド入りする事態に発展しました。フリマアプリ側は、最初に問題を軽視したために批判が殺到し、後になって謝罪や補償を行ったものの、「手のひら返し」としてさらに非難を浴びました。さらに、企業側がメディアの問い合わせに対しても詳細なコメントを避けたことで、不信感がさらに増大しました。
企業の広報がSNSで発信した一言が炎上した事例(2024年11月)
とある企業のSNS投稿が大きな炎上を引き起こしました。この騒動のきっかけは、企業のブランディングやPRを統括している部長が、人気テレビ番組「ガイアの夜明け」の放送前に「IPO前から仕込んできました『ガイアの夜明け』が今晩放送です!スポットワークの可能性についてぜひご覧ください」と投稿したことです。この「仕込んできました」という表現が、視聴者に番組内容が事前に仕込まれた、つまりステマのように見えたことが問題でした。
企業の代表取締役はこの件に対し謝罪しましたが、「テレビ東京側からのオファーであり、言葉の選択を間違えただけだった」と説明しました。しかし、この後の対応が不適切だったため、さらに批判が増大しました。
特に問題とされているのは、批判された投稿を削除した後に、「誤って削除してしまった」と再投稿する行為でした。この行動は、批判者にとってさらなる疑問を呼び、議論は更に炎上する結果になったのです。批判者と擁護者の間での論争が続く中、炎上はさらに拡散され、企業のイメージに重大なダメージを与えました。
新入社員のSNS投稿で炎上した事例(2024年4月)
4月1日、とあるメーカーの新入社員とされる人物が入社式の写真と共に、配属部署や同僚に対する不満をSNSに投稿し、大きな話題になりました。この投稿が炎上し、批判が殺到すると、そのアカウントは削除され、現在ではその投稿を見ることができません。
問題視されたのは入社式の内容等ではなく、当該新入社員が許可なく入社式の様子を撮影してSNSに投稿したこと自体であり、社内情報や社員の個人情報漏えい等のセキュリティインシデントに繋がりかねないことから、新入社員のコンプライアンス意識の低さがが問題視されました。
企業は新入社員を含む社員に対して、SNSでの適切でない行動を避けるためのモラルやルールをしっかりと教育し、周知することが一層求められています。
企業のSNSプロモーションが炎上した事例( 2023年12月)
日本の主要航空会社のSNSプロモーションについて一部から疑問の声が上がりました。
企業はTikTok、Instagram、YouTubeなどの公式アカウントで幅広いコンテンツを提供しており、特にあるプロスケーターが機長に扮したダンス動画が注目を集め、再生数は600万回を超えました。
しかし、そのスケーターとの契約が終了し、次の宣伝隊長にはとあるユーチューバーが選ばれました。新しい動画には、彼らが飛行機内で登場するシーンが描かれていますが、過去の契約トラブルによる好感度の低下と登録者数の減少が影響し、SNS上では戸惑いの声が相次ぎました。
このグループのメンバーは以前、ある高級ブランドとのタイアップで炎上した経験も持っています。
この事例は、企業がSNSプロモーションでのタイアップを行う場合には、単なる人気や注目度だけでなく、その人物やグループが企業のブランドイメージや価値観とどれだけ調和しているかを慎重に考慮する必要があることを示しています。
スタッフによるSNS上での会員情報の不適切な取り扱いが原因で炎上(2024年1月)
ある大手フィットネスチェーンでは、スタッフによるSNSの投稿が原因で炎上する事態が発生しました。スタッフが個人のSNSアカウントで、有名なインフルエンサーが自社の会員であるかのような投稿を行ったことからが始まりです。さらに、他のインフルエンサーが自身の個人情報が漏洩したと主張する投稿をするなど、一連の騒動が続きました。
企業の個人情報の取り扱いに対する信頼が揺らぎ、公式サイトで謝罪する事態に至りました。調査の結果、実際には個人情報が漏えいした事実は確認されませんでしたが、多くの関係者に不安を与えたことは明らかです。
このフィットネスチェーンは、これまでにも各種法令に基づいた個人情報の管理と運用を行い、従業員へのコンプライアンス研修を定期的に実施してきました。しかし、今回の事態を重く見て、個人情報取り扱いの教育をさらに強化し、従業員のSNSの使用についても指導を徹底することを公表しました。
この事例は、たとえ個人アカウントであっても従業員のSNS使用が企業の情報漏えいや炎上を引き起こしかねないことに注意を払い、従業員向けのSNSガイドラインを設けることの重要性を示しています。
某テーマパークの炎上事例(2024年1月)
某人気テーマパークでの顧客対応が原因で、SNSで炎上しました。ある来場者が大人用の年間パスポートを持って入場しようとした際に、スタッフによる誤解で子供用パスポートで入場しようとしているとされ、長時間寒空の下で待たされた挙句、差額を支払わなければ入れないと言われたという投稿が炎上の発端となりました。
SNSの投稿に対して、テーマパークの代表が自身で解決しようと直接やりとりの内容をSNSに投稿しましたが、その方法が逆効果となり、「対応がひどい」「言い訳に聞こえる」とさらに批判を受け、SNSの炎上が拡大しました。
某大手企業のweb広告が炎上した事例(2024年3月)
ある大手飲料メーカーの缶チューハイ広告が炎上し、広告の早期撤回を余儀なくされる事態が発生しました。広告には、ある経済学者が起用されていましたが、その人物の過去の発言が批判の対象となり、広告撤回に至ったのです。
経済学者が過去にインターネット番組で行ったとされる高齢者批判が疑問視され、「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という内容がSNS上で再び拡散されたことが原因で、ユーザーからの強い反発を受けました。
某飲食店の内部告発がSNSで拡散され炎上した事例(2023年3月)
ある大手飲食チェーンが、従業員による告発を受けてSNSで炎上しました。この告発は、特定の店舗における不十分な衛生管理とハラスメント行為を内容とするものでした。
「店舗で手洗いしようとすると嫌がられた」「期限切れの食材を使い回している」「マニュアル通りの動作をすると怒号」といった告発が内向けSNSに投稿された後、キャプチャ画像がSNSで拡散し、公の場で大きな問題となりました。
このチェーン店は、告発が事実であると認め、公式に謝罪しました。会社は、食品衛生法に即したサービスを提供しているとしながらも、自社のより厳格な内部基準に完全には従っていなかったことを謝罪し、特に問題となった店舗での対応不足を指摘しました。また、ハラスメントに関しても認め、適切な処分を行うと表明しました。
某フィットネスクラブの不適切な表現で炎上(2023年9月)
某フィットネスクラブが会員に向けて店舗内装工事の「お手伝い」を募集し、その後SNSで炎上しました。この募集は、Amazonギフト券を謝礼として提供し、活動の対価として最大7,000円分が支給されるとされていましたが、募集内容には資格が必要な電気工事や専門的な設備工事が含まれていました。
この募集に対し、専門職への報酬が不相応に低いとの批判や、単なる「お手伝い」としては適切ではないとの意見が多数寄せられました。特に、専門的な技術を要する作業を素人に求めることの危険性や、プロフェッショナルな業務を低報酬で行わせることの倫理的な疑問が指摘されました。
運営側は、SNSで批判が集まると「誤解を招くような表現があった」として訂正メールを会員に送り、その内容と意図について謝罪しました。説明では、「専門的な内容で長時間のお手伝いを求める意図はなく、簡単なお手伝いを希望していた」と釈明しました。また、作業に対する安全配慮を徹底し、事故が起きた場合は全責任を負うと説明しています。
人気バンドのMVがSNSで差別的な内容として炎上した事例
ある人気バンドがリリースした新曲のミュージックビデオ(MV)が、SNS上で「差別的な内容」として炎上し、大きな論争を引き起こしました。このMVでは、バンドメンバーが歴史上の人物に扮し、先住民族を劣った存在として描いたと批判されました。具体的には、メンバーたちが先住民とされるキャラクターたちと交流する中で、文化的優越を示唆するようなシーンが含まれていたことが原因で、視聴者からの反発を招いたのです。
この炎上により、人気バンドとその所属レコード会社による謝罪に至りました。批判が高まる中、レコード会社はMVの配信を停止し、「意図しない表現が含まれていたことを深く反省している」との声明を発表。これに対して、さらなる説明を求める声や、より敏感な文化的配慮を促す意見が続出しました。
SNSで男女差別で炎上した飲食店の事例(2024年9月)
ある飲食チェーンが実施したプロモーションが原因でSNSで大きな議論を引き起こしました。プロモーションでは、食べ放題コースの料金を女性客に対して半額に設定。この料金設定の根拠として、同チェーンは「女性客は平均して男性客に比べて少ない量を注文する」というデータを提示しましたが、このキャンペーンが男女差別ではないかという批判がSNSを中心に沸騰しました。
一部のユーザーは「性別によってサービス内容が異なるのは不公平だ」と主張し、店舗の方針に対する不満を表明しました。対照的に、他のユーザーからは「実際のデータに基づいた割引で差別的な意図はない」という擁護の声も上がっていました。
なぜSNSで炎上が起きるのか?主な原因を解説

企業がSNSで炎上する主な3つの原因▼
- 不適切なコンテンツの投稿
- 誤解を招く内容の投稿
- 企業のアカウントで個人的な見解を含めた投稿
不適切な投稿とは、意図的または不注意による問題あるコンテンツの公開で、ユーザーに不快感や嫌悪感を与えるものです。また、誤解を招く投稿は、SNSの多様な利用者によって意図と異なる形で解釈されることもあります。企業のアカウントで個人的な意見が表明されると、それが企業全体の姿勢として受け取られ、炎上のきっかけになる場合があります。
企業のSNSの炎上を未然に防ぐ対策

企業のSNSの炎上を未然に防ぐ3つの対策▼
- SNSの運用マニュアルを作成
- SNSの投稿を承認制にする
- 危機管理研修を行う
企業がSNSを安全に使用するためには、明確なガイドラインとマニュアルの作成が重要です。投稿内容の承認制度、関連法規の遵守、差別的な表現の排除といった基準が含まれます。投稿内容を事前に承認する体制を整えることで、適切ではない投稿を事前に防ぐことが可能です。また、従業員に対してSNSのリスク管理に関する継続的な研修を提供し、全員が一貫したメッセージを発信できるようにします。また、個人用のアカウントの発言が炎上し、企業が特定されることで、企業全体が批判の対象になる場合があります。個人のアカウント使用に関しては、プライベートと公的な発言の境界を明確にし、会社のポリシーを反映しつつも、個人の自由を尊重するバランスを取ることが望まれます。
企業のSNSが炎上した時の対策

企業のSNSが炎上した場合は迅速な対応が求められます。まず、事実確認を行い、詳細を把握した上で、炎上の原因となった投稿をスクリーンショットで保存する等、情報保全をしておきます。続いて、自社に非があることが明らかであれば、速やかに公式アカウントなどで謝罪の投稿をします。
もし、炎上で拡散された投稿を削除する場合は、慎重に検討する必要があります。削除を行う際には、その理由と背景を説明し、ユーザーに対して誠実に対応していることを示すことが重要です。
炎上後にネガティブなワードがインターネット上に残る場合は、専門業者や弁護士に依頼して対策することが推奨されます。例えば、Googleのサジェストや関連検索に「企業名 炎上」などのワードが表示されることがあります。これらのネガティブなワードは、企業の評判に長期的な悪影響を及ぼすため、速やかに対策することが非常に重要です。
このような状況に対応する場合は専門の業者や弁護士に依頼することが望ましいです。Googleのサジェストや関連検索結果に表示されるネガティブなワードの削除に向けて対応してくれます。
SNSで炎上に直面した際は、焦ることなく冷静に対策を進めることが大切です。
まとめ
企業の炎上は不適切なコンテンツの投稿や誤解を招く情報の投稿が主に挙げられます。
SNSの使用が一般化するにつれて、多くの企業が自社のアカウントを活用していますが、炎上リスクという新たな課題にも直面しています。SNSで炎上すると、その影響が企業のブランドイメージや信頼性に長期間悪影響を与えることも少なくありません。そのため、事前に適切な対策を講じることが重要です。
この記事では、企業のSNSの炎上事例を紹介し、企業が炎上を未然に防ぐ対策と炎上発生時の対応について説明しました。