近年、YouTuberの影響力が高まる一方で、一度「炎上」が起きると、活動に大きな影響が及ぶケースも増えています。
不適切な発言や誤情報の発信、倫理観に欠ける企画など、炎上の原因はさまざまです。
炎上による影響は、YouTubeでの広告収益の減少、企業案件の打ち切り、さらには活動の自粛など、多方面に広がることがあります。
そして今や、誰もがYouTubeで動画を発信し、YouTuberとして活動できる時代です。だからこそ、炎上リスクへの理解と適切な対策は、これまで以上に重要になっています。
本記事では、実際に炎上したYouTuberの事例をもとに、炎上の典型的なパターンやその影響、対応策を整理し、再発防止とリスク管理の観点から解説します。
- 炎上したYouTuberの事例まとめ
- 【YouTuberが炎上した事例①】もちまる日記、再開動画に批判殺到(2025年)
- 【YouTuberが炎上した事例②】過去の情報商材・ネズミ講疑惑が再浮上し炎上(2025年)
- 【YouTuberが炎上した事例③】中町兄妹の不適切発言による炎上(2025年)
- 【YouTuberが炎上した事例④】女子アナが体臭発言で炎上(2024年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑤】フワちゃん、過激な発言で炎上|活動自粛に追い込まれる(2024年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑥】ヒカキン、ゲーム実況中の暴言と晒し行為で炎上(2022年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑦】「実家に預けた」は嘘?美容系YouTuberがペット放棄で炎上(2022年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑧】メンタリストDaiGo、ホームレスを差別する発言で大炎上(2021年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑨】てんちむ、企業案件で炎上|ナイトブラ騒動にユーザーから厳しい声(2020年)
- 【YouTuberが炎上した事例⑩】ジョーブログ|渋谷での迷惑行為で書類送検(2019年)
- YouTuberが炎上する典型的なパターンとは?
- 炎上によってYouTuberにどんな影響があるのか?
- 炎上してしまったとき、YouTuberはどう対応すべき?
- 炎上しないためにYouTuberが気をつけるべきこととは?
- まとめ
炎上したYouTuberの事例まとめ

ここでは、実際に炎上したYouTuberの具体的な事例を紹介します。
炎上を招いた言動や企画を把握し、リスクへの理解を深めることが、適切な対策や予防につながります。
【YouTuberが炎上した事例①】もちまる日記、再開動画に批判殺到(2025年)
人気の猫系YouTuber「もちまる日記」が2025年5月にYouTubeでの活動を再開したものの、再開直後の動画に批判が殺到し炎上に発展しました。
再開の動画では、飼い猫・もちまるくんが尿管結石の手術を受けていたこと、術後1カ月が経過し元気を取り戻していることが報告され、多くのファンから安堵の声が上がりました。
一方で、炎上のきっかけとなったのは、再開前の4月にYouTubeに投稿された「夜中に5回嘔吐して救急搬送されました」と題する動画です。ぐったりとした様子や嘔吐物の映像、さらには診察中の撮影が含まれていたことで、SNSでは「再生数を優先した印象を受ける」「撮影のタイミングに疑問が残る」といった声が一部で見られ、議論を呼びました。
【YouTuberが炎上した事例②】過去の情報商材・ネズミ講疑惑が再浮上し炎上(2025年)
ゲーム実況を中心に活動する人気YouTuber「はんじょう」が、過去に関与していた情報商材ビジネスの疑惑が再浮上し、2025年4月に炎上。本人が事実関係を認めたうえで謝罪し、活動自粛を発表しました。
炎上の発端となったのは、SNS上で拡散された過去の写真。はんじょう氏が情報商材の販売説明に参加していた様子が写っており、「ネズミ講ではないか」といった声が広がりました。
その後、本人は4月23日、自身のX(旧Twitter)で「大学在学中、知人の誘いで情報商材を扱う団体に一時的に所属していた」と認め、「軽率な判断だった」と深く反省するコメントを発表。すでに団体は脱退済みで、現在は一切の関係がないと述べています。
さらに、「皆様からの信頼を取り戻すために、自らを見つめ直す期間とする」として、当面の活動自粛を宣言。所属事務所であるUUUMも誹謗中傷の自粛を呼びかける声明を同日に発表しました。
【YouTuberが炎上した事例③】中町兄妹の不適切発言による炎上(2025年)
登録者数170万人超の人気YouTuber「中町兄妹」が、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故に関する不適切な発言により、2025年2月に大炎上しました。
問題となったのは、2月2日にYouTubeに投稿された雑談形式の動画です。中町兄妹の妹が「道路とかも、最近落ちちゃった」と事故に言及したうえで、「秒で亡くなったら面白い」という趣旨の発言をし、それに兄・中町JPが爆笑で応じる様子が映されていました。
当時は、事故から時間が経ってもトラック運転手の安否が不明で、複数の住民が避難を余儀なくされている状況でした。SNSを中心に「被害者への配慮がまったくない」「命を軽く見すぎている」といった批判が殺到。動画は削除されましたが、投稿から一週間後にアップされた謝罪動画にも、多くのコメントが寄せられ、誠意の見られない対応だとして、さらなる炎上を招く結果となりました。
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【YouTuberが炎上した事例④】女子アナが体臭発言で炎上(2024年)
川口ゆり・元フリーアナウンサーが、SNS上での発言をきっかけに所属事務所を契約解除される騒動に発展し、YouTuberとしての活動に転向する意向を表明。その一連の流れがSNS上で大きな炎上を呼んでいます。
騒動の発端は、2024年8月8日に投稿された「夏場の男性の体臭が苦手すぎる」とするX(旧Twitter)での発言。
「不摂生している方特有の体臭が無理」「男性も1日数回シャワーを浴びてほしい」といった発言に対し、「異性に対する侮辱的な内容だ」との批判が殺到し、炎上に発展。これを受けて、所属事務所は10日付で契約を解除しました。
その後、「ReHacQ」やモノマネ系YouTuber「ひろゆかない」の動画に出演し、発言の意図を伝えるとともに謝罪。今後は動画配信などインフルエンサー・YouTuberとして活動していく意向を明かしました。
しかし、騒動は収束することなく、かえってさらなる注目を集める結果となりました。
当初、発言に理解を示していたのは、過去に「170cm以下の男は人権なし」との発言で炎上し、所属チームを解雇された経験を持つインフルエンサー「たぬかな」でした。
彼女は「夏場の激臭おじに苦言を呈しただけでクビはかわいそう」とX(旧Twitter)に投稿し、擁護の姿勢を見せていました。
しかしその後、本人が出演した動画を見たたぬかなは、「この女なんか思ってたんと違うぞ…」と困惑した様子の投稿を行い、態度を一変。
当初あった擁護の声も徐々に減少し、彼女には厳しい視線が向けられるようになっていきました。
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【YouTuberが炎上した事例⑤】フワちゃん、過激な発言で炎上|活動自粛に追い込まれる(2024年)
2024年8月、人気YouTuberでタレントのフワちゃんが、SNS上での不適切な発言をきっかけに大炎上。8月11日には所属事務所より活動休止が発表されました。
事の発端は、フワちゃんが同業の芸人・やす子さんに関する発言をSNSに投稿し、批判が殺到したこと。該当の投稿は削除されたものの、その後の謝罪文でも「誰に対して、何を謝っているのか」が不明瞭だったため、炎上はさらに拡大しました。
フワちゃんは自身のX(旧Twitter)で「ご本人に直接謝ります」と投稿しましたが、本来であればまず非公開の場で関係者に謝罪し、その後公に発信するという順序が望ましかったとされ、一部では「謝罪の手順に問題があったのでは」と指摘する声も見られました。
また、「なぜそのような発言をしてしまったのか」についても、「アンチコメントを想定していて、誤って送信してしまった」と弁明したものの、詳細が乏しく、多くの憶測を呼ぶ事態に。
結果として、フワちゃんは一連の騒動の責任を取り、当面のYouTubeの活動およびメディア出演をすべて中止するに至りました。
【YouTuberが炎上した事例⑥】ヒカキン、ゲーム実況中の暴言と晒し行為で炎上(2022年)
人気YouTuber「ヒカキン」が、2022年7月に自身のゲーム実況チャンネル「HikakinGames」にて配信した『APEX』のプレイ動画内での言動が炎上を招きました。
ゲーム中、味方プレイヤーとのトラブルに激昂し、「何やってんの、こいつ?」「一生許さねぇ」などの暴言を繰り返したほか、相手のプレイヤー名を動画内で晒し、「ウザいと思う人はグッドボタン押してね」とファンに呼びかけたことが批判の的となりました。動画は後に削除されましたが、SNSでは「幻滅した」「晒しはやりすぎ」といった厳しい声が相次ぎ、炎上状態に。
5月に別の動画で「ネットでマイナス発言はしない」と話していた自身の発信とも矛盾が生じたことで、信頼を損ねる結果となりました。後日、ヒカキン氏は自身の誤解があったことを認め、「申し訳ありませんでした」と謝罪のコメントを発表しています。
【YouTuberが炎上した事例⑦】「実家に預けた」は嘘?美容系YouTuberがペット放棄で炎上(2022年)
人気美容系YouTuber「和田さん。」が、トイプードルの飼育をめぐる説明に虚偽があったとして炎上しました。
「和田さん。」は2019年にトイプードルを飼い始め、SNSやYouTubeでたびたび愛犬を紹介していましたが、ある時期を境に犬の登場がなくなり、ファンの間で「犬は元気なのか」「どうしたのか」と不安や疑問の声が広がっていました。
その後2022年1月、ファンからの質問に答える形で「実家に預けている」と説明。しかし同月23日、「この度の騒動に関しまして」と題した動画でその説明が虚偽であったことを認め、「一時は実家に預けたが、実家にいる犬と相性が悪く、最終的には知人に引き取ってもらった」と訂正・謝罪しました。
「和田さん。」は「ファンが離れるのが怖くて、嘘をついてしまった」と語り、無責任な行動を深く反省するとともに、当面のあいだ活動を休止することを表明。「犬が無事でよかった」と安堵の声もある一方で、「なぜ嘘を重ねたのか」と落胆するコメントも相次ぎました。
【YouTuberが炎上した事例⑧】メンタリストDaiGo、ホームレスを差別する発言で大炎上(2021年)
2021年8月、メンタリストDaiGo氏が自身のYouTubeライブ配信にて「ホームレスの命はどうでもいい」など、差別的と受け取られる可能性のある発言を行い、SNS上で大炎上しました。
問題となったのは、8月7日のライブ配信「【超激辛】科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答」の中での発言。DaiGoは、ホームレスや生活保護受給者に対し「邪魔」「臭い」「いない方がいい」と断言し、自身にとって「猫の方が大事」と繰り返し主張しました。
この発言に対して、ネットユーザーからは「命を選別する優生思想だ」「人権を軽視している」といった批判が殺到し、炎上に発展。差別や偏見を助長しかねない内容として、社会的な波紋が広がりました。
その後もDaiGo氏は「辛口配信だった」と釈明し、「ホームレスはいらない存在」という持論を変えず、批判に対しては「そんなに大切なら自分で助ければいい」と開き直る姿勢を見せました。
【YouTuberが炎上した事例⑨】てんちむ、企業案件で炎上|ナイトブラ騒動にユーザーから厳しい声(2020年)
人気YouTuber「てんちむ」が、豊胸手術を受けた事実を伏せたままナイトブラのプロデュースや広告宣伝に携わっていたことが、2020年に明るみに出て、「企業案件で消費者を裏切った」として大きな炎上に発展しました。
当初てんちむ氏は、自ら返金対応に乗り出し、メーカー側に2億2000万円を送金したとYouTube上で説明。しかし、メーカーから「説明義務違反」として反訴され、2023年12月には約3.8億円の損害賠償命令が東京地裁から下される事態となりました。これを不服とした同氏は現在控訴審に移行し、5大法律事務所の一つに弁護を依頼するかたちで、法的対応の再構築を進めています。
SNS上では「結局、お金のためだったのか」「影響力を持つ立場として無責任すぎる」など、厳しい意見が飛び交っています。
【YouTuberが炎上した事例⑩】ジョーブログ|渋谷での迷惑行為で書類送検(2019年)
2019年3月、人気YouTuberのジョー(ジョーブログ)が、東京・渋谷のスクランブル交差点の中央にベッドを置いて寝そべるという動画をYouTubeに投稿。面白さを狙ったパフォーマンスでしたが、信号待ちのわずかな時間にベッドを設置・撤去するという危険な行為が、通行人の妨げとなり、大きな混乱を招き、SNSを中心に炎上しました。
この動画が公開されると、SNSでは「常識を逸脱している」「事故につながりかねない」と批判が殺到し、大炎上。注目を集めるために公共の場を利用した過激な演出が強く非難され、メディアでも広く取り上げられました。
その後、ジョー氏は道路交通法違反(交通妨害物件放置)容疑で書類送検。本人は警察への出頭の様子まで動画に収めて公開し、「伝説を作りたい」など強気な発言をしていましたが、社会的な批判の高まりを受けて態度を一変。公式サイトに謝罪文を掲載し、「再発防止に努める」と表明しました。
YouTuberが炎上する典型的なパターンとは?

YouTubeは個人が容易に情報発信できるプラットフォームとして広く活用され、人気のYouTuberも数多く登場しています。一方で、発言や行動がきっかけとなり、企業や個人のブランド価値を損なう「炎上」事案も後を絶ちません。
ここでは、炎上が起こる典型的なケースをご紹介します。
不適切・差別的な発言
YouTuberが発信する言葉は、ファンとの信頼関係を築く一方で、その影響力の大きさから社会的責任も伴います。過激な発言や特定の個人・集団に対する差別的なコメントは、視聴者の共感を失う原因となり、SNSやメディアを通じて瞬く間に炎上へと拡大します。
実際に、特定の人種・性別・社会的立場に対する無神経な発言が大きな批判を呼び、企業案件の打ち切りや謝罪、さらには活動休止に追い込まれた事例も少なくありません。
虚偽情報や誤解を招く動画
YouTubeでは情報の拡散力が高いため、虚偽の内容や誤解を招く表現を含む動画は、炎上リスクを伴います。特に、医療・法律・金融などの専門性が求められるジャンルでは、事実と異なる情報を発信した場合、誤った認識を与え、社会的影響が拡大しやすくなります。
また、意図的でなかったとしても、「釣り」や誇張されたサムネイル・タイトルが実際の内容とかけ離れていると、視聴者の信頼を損ない、炎上につながるケースもあります。
過激なドッキリ・炎上狙いの企画
再生数や話題性を目的に、あえて物議を醸すような過激なドッキリや炎上狙いの企画を行うYouTuberも見受けられます。こうしたコンテンツは一般ユーザーの倫理観や社会通念に反することが多く、炎上につながりやすい傾向があります。
特に、無関係な一般人を巻き込んだドッキリ企画や、差別的・暴力的な表現、不快感を与える演出は、一時的に注目を集める反面、炎上によってチャンネルの信頼性を著しく損なうリスクがあります。
法律やモラルに反する動画
道路交通法違反、公然わいせつ、迷惑防止条例違反など、法令に抵触する行為をコンテンツ化してしまうと、炎上にとどまらず、法的措置や刑事事件に発展する可能性もあります。
また、法的に違反していなくても、公序良俗に反する言動やモラルに欠ける行動は、ユーザーからの強い批判を招き、信頼の失墜やブランド価値の低下につながります。
こうした動画はSNSでの通報やメディア報道をきっかけに瞬く間に拡散し、炎上だけでなく、YouTubeチャンネルの停止措置やスポンサー契約の打ち切り、場合によっては損害賠償請求に発展するリスクもあります。
炎上によってYouTuberにどんな影響があるのか?

YouTuberが炎上すると、その影響は一時的な評判の低下にとどまらず、収益や精神面にまで深刻なダメージを与える可能性があります。代表的な影響を以下にまとめました。
- 広告収益が激減し、スポンサー契約も打ち切られる
- 登録者が減り、ファンが離れていく
- 動画の低評価・コメント欄が荒れる
- YouTube運営からの制限・BANリスクが高まる
- 精神的ストレスや活動休止に追い込まれる
炎上はチャンネル運営の根幹を揺るがすリスクを伴います。
最悪の場合、名誉毀損や肖像権侵害などで法的責任を問われることもあり、注意が必要です。
炎上してしまったとき、YouTuberはどう対応すべき?

炎上は一度起これば瞬く間に拡散し、対応を誤ると事態はさらに深刻化します。
では、万が一炎上してしまった場合、YouTuberはどのように対応すべきなのでしょうか?
ここでは、炎上した際に求められる対応策を解説します。
早急に事実関係を説明し、誠実に謝罪する
炎上が発覚した際には、まずスピード感をもって事実関係を整理し、関係者および視聴者に対して誠実に謝罪することが求められます。
情報発信が遅れたり、曖昧な対応を取ることで、憶測や誤解が広がり、炎上が長期化するリスクが高まります。過ちがあった場合は言い訳を避け、責任を明確にしたうえで真摯な謝罪を行うことで、一定の信頼回復につながる可能性があります。
動画の削除・非公開対応を検討する
炎上の原因となった動画に誤解を招く表現や不適切な内容が含まれている場合、早急に削除または非公開にする判断が求められます。該当動画を放置すれば、批判がさらに拡大し、視聴者やスポンサーからの信頼を失うリスクが高まります。
ただし、何の説明もなく動画を削除すると「逃げた」「隠蔽した」といった新たな批判を招きかねません。削除の際には、可能な範囲でその意図や経緯について丁寧に事情を伝え、透明性のある対応を心がけることが重要です。
再発防止の姿勢を示し、信頼回復に努める
「もう二度と繰り返さない」という言葉だけでなく、具体的にどのような点を改善し、どんな行動を取るのかを伝えることが、信頼回復につながります。反省の気持ちを形にして示すことで、視聴者の理解を得やすくなり、今後の活動継続にも前向きな影響を与えるでしょう。
必要に応じて法的・専門家のサポートを受ける
炎上の内容によっては、名誉毀損や業務妨害、著作権侵害など法的トラブルに発展する可能性もあります。また、対応を誤ることでさらに炎上が広がるリスクもあるため、自分だけで判断せず、弁護士や広報の専門家などのサポートを受けることが重要です。
専門家の助言を得ることで、法的リスクを最小限に抑えつつ、視聴者や関係者への適切な対応方針を立てやすくなります。
炎上しないためにYouTuberが気をつけるべきこととは?

YouTubeでの発信は、多くの視聴者に影響を与える力を持つ一方で、言動ひとつで炎上につながるリスクも常に伴います。特に影響力の大きいYouTuberにとっては、日々の発言や企画内容に慎重な配慮が求められます。
ここでは、炎上を未然に防ぐために、YouTuberが日頃から意識すべきポイントを解説します。
動画投稿前に第三者視点で内容を見直す
動画を投稿する前に、一度立ち止まって第三者の視点で内容を見直すことは、炎上リスクを防ぐうえで非常に有効です。
制作者本人は問題ないと感じても、受け手側の受け取り方は異なる場合が多く、意図せず不適切な表現や配慮不足が含まれていることもあります。
可能であれば、信頼できる第三者やチームメンバーに確認してもらうことで、見落としていたリスクや誤解を招く表現に気づける可能性が高まり、炎上を未然に防ぐことができます。
差別・政治・宗教などセンシティブな話題を慎重に扱う
差別・政治・宗教といったセンシティブな話題は、受け手の価値観や立場によって受け取り方が大きく異なるため、炎上リスクが特に高い分野です。
取り上げる場合は、言葉選びや表現に細心の注意を払い、特定の人や立場を不必要に刺激・傷つけないよう配慮が求められます。
ユーザーの多様性を尊重し、公平性・中立性を意識したコンテンツ制作を心がけることが、長期的に信頼されるチャンネル運営につながります。
ステマや案件表示など広告表記を明確にする
企業とのタイアップ動画やPR案件では、「広告であること」を明確に表記することが法律上も視聴者との信頼関係維持の上でも重要です。
ステルスマーケティング(ステマ)と受け取られるような不透明な表現は、動画の受け手に不信感を招くだけでなく、景品表示法などの法令に抵触するリスクも伴います。
案件動画である場合は、タイトルや概要欄、動画内で「PR」や「提供」などの表記を行い、ユーザーに誤解を与えない発信を心がけましょう。
ネガティブコメントにも冷静に対応する
YouTube上で活動する限り、すべての視聴者から好意的な反応を得るのは難しく、ときに批判的なコメントや厳しい意見が寄せられることもあります。こうしたネガティブな反応に対して、感情的に反論したり、相手を揶揄するような対応を取ると、かえって炎上を招く原因になりかねません。
一つひとつのコメントに過敏になりすぎず、必要に応じてコメントを非表示にする、スルーするなど、状況に応じた対応のバランスも大切です。
まとめ
YouTubeという開かれたプラットフォームでは、発言や行動のひとつが瞬く間に拡散し、思わぬ炎上へと発展するリスクがあります。過去の事例を見ても、不適切な発言、虚偽情報、過激な企画、法令違反など、炎上の原因は多岐にわたります。
炎上は一時的な批判にとどまらず、広告収益の減少や案件の打ち切り、チャンネル停止など、活動全体に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。しかし、発信前のチェックや冷静な対応、法的なリスク管理を意識することで、多くの炎上は未然に防ぐことができます。
YouTuberにとって最も重要なのは、視聴者との信頼関係です。数字を追う前に、「信用」を積み上げる意識こそが、結果的にチャンネルの成長を支えます。